あるいは未完という名のアイドル 真夏から瑛紗へ

序文

気が付くと乃木坂を知って1年
長いようで短かったかもしれない1年

先日(12/5,6)、乃木坂5期生が開催した新・乃木坂スター誕生!LIVEを配信で視聴した。
そのこともあってか、この1年で見てきた乃木坂への想いも含めてアイドルについて改めて考える機会を設けて見る。

乃木坂全体について詳しく述べることはせず、秋元真夏というアイドル性から新しく加入した五期生に見るアイドルの形について考え方を記載することを目的とする。

ぼくが秋元真夏を見つけた日

秋元真夏とはアイドルである。
また、アイドルとは秋元真夏のことである。
そう確信を持って言えるほどに秋元真夏はアイドルとして完成されていると思える。

乃木坂一期生、キャプテンという肩書である彼女だがそこに至るまでの道程は厳しいものだった。
秋元真夏は、一期生として乃木坂のオーディションに参加したが、当時高校3年生のため学業の都合により卒業までの間活動を自粛することになっていた。
その間にも乃木坂としての活動は進んでおり、1st~3rdシングルまでの約半年間表に出てくることはなかった。
生駒里奈を中心とした体制ができあがる中、4thシングルの選抜発表を乃木坂工事中(乃木坂レギュラー番組)内で行っている最中に唐突に呼ばれ私服姿で登場する。
4thシングルで福神(選抜の中でも上位メンバー)に選ばれたことで、後に乃木坂で白石麻衣と併せて看板になっていくことになる西野七瀬から約1年間に及ぶ無視やアンダーメンバー(選抜外)のモチベーション低下を引き起こすことで乃木坂内では針の筵となる。

5thの選抜発表は少し特殊(5th以降にも例がない)で、メンバー全員が一部屋に集められ一人ずつ自分のタイミングで選抜に選ばれているかを確認しにいかなければいけない。
4thで選抜に選ばれた秋元真夏は、号泣し一人また一人と選抜になっているか確認しにいくメンバーを見送っていた。
4thでの急な選抜メンバーへの抜擢から一片5thで選抜に選ばれているかわからない状況で、泣きつくす秋元真夏を見て改めて選抜制、延いてはアイドルの厳しさ考えさせられた。
秋元真夏というアイドルに魅せられるようになったのはこの辺りのタイミングからだったかもしれない。

乃木坂へ途中参加になってしまったことで、周りからの扱い、既にファンを獲得している同期のアイドル達との差が生まれてきている中、キャラクター性を確立するため他メンバーが手を付けていない『あざといキャラ』へ踏み出していく。

そもそもアイドルにとってキャラとはなんであるか?という話であるが、偶像たる彼女たちには支える信者がいないことには始まらない。
信者たちを喜ばせるには、喜ばせるための魅せるための何かが必要になってくる。
それはビジュアルかもしれないし、歌唱力かもしれない。はたまたパフォーマンスかも。
だが、ビジュアルが優れているのであればモデルでも良いし、歌唱力が優れているのであれば歌手になればよい。
それでもアイドルという形式に乗っ取るのであれば、偶像として演じるためのキャラクターが必要になるんだと思う。
今まで普通の女の子だったのが、偶像としてのキャラクターを憑依させ、あがいて、もがいて、努力する姿にこそ魅せられる。

秋元真夏へと話を戻すが、アイドルとなった彼女はあざといキャラを完璧なまでに演じ続ける。
そうあまりにも完璧に。
10年間、29歳になった今もなお現役のアイドルとして乃木坂でトップを走っている。
後輩、辞めていく同期、他メンバーのスキャンダルなど様々なことが起こる中で、常に笑顔でそして何事にも全力な彼女に魅せられ、アイドルとして好きだった感情から昇華し尊敬の念すら持っている。

秋元康が作った、会いに行けるアイドルには偶像性の喪失を覚え、今なお懐疑的な気持ちは持っている。
だが、会いに行けるアイドルという名のアイドルの身近さを含めてファンに対しての献身性をあざといキャラとして作り切った秋元真夏こそが平成アイドルの到達点の一つなのかもしれない。

願わくは、秋元真夏が平穏無事にアイドル人生を全うできることを祈る。

五期生に乃木坂の未来を見るか?

2022年2月に乃木坂へ5期生が加入することとなる。
8万7852人の中から選ばれた11人
乃木坂を引っ張ってきた主要なメンバーである白石麻衣、西野七瀬、生田絵梨花等が卒業し、3・4期生へと世代交代が進んで行く中での新しい風となる5期生達

彼女たちの加入時にひと騒動あったがこれに対しては軸がブレるので触れないことにする。

坂道グループの中でも最大となる倍率の中で選ばれた5期生たちであるが、選ばれるだけの魅力が加入時から備わっていた。
それもそのはず

一ノ瀬美空 – JCミスコン2017 準グランプリ
井上和 – 子役としてアミューズに所属
岡本姫奈 – 12年間バレエを習っておりロシアのバレエ団に入団予定(コロナにより中止)
小川彩 – 小学生向けファッション雑誌でモデル
奥田いろは – 子役としてキャロット・ヒラタオフィスに所属
冨里奈央 – 千葉県市川市でローカルアイドル

約半数近くがプロないしは、舞台などの経験がある。
また、最近の子はスマートフォンの普及によりカメラ慣れやダンス必修化によりダンスへの慣れなどアイドルとして必要な能力を意図せず身に着けていっている。
結果として、パフォーマンス力が高くデビュー9カ月をして行ったライブでは圧巻のパフォーマンスを見せる。

最年少の小川彩など、15歳にして堂々と歌い踊る。
現時点で完成されてるとすら思える姿に感服する。
これからの乃木坂は5期生を中心になっていく未来もそう遠くないように感じた。

完成が池田瑛紗を嘲笑う

斯くして、能力の高い5期生が入ってきたことで乃木坂の力は確かに上がったように感じる。
ライブも盛り上がるであろう。
だが、アイドルに求めていたものはそんなものだっただろうか。

高い歌唱力、統率のとれたダンス、そんなもの豚の餌にでもしてやると。
秋元真夏が見せてくれたアイドル性はそんな所にはなく、歌もダンスも下手かもしれない。
それでも全力で笑顔で、ファンに向けて、偶像であろうとする姿にこそ魅せられていたと。

そんな完成されている5期生達の中、一人歌もダンスが苦手(本人ブログ談)なメンバーがいる。
君の名は池田瑛紗

5期生最年長として、19歳で加入(現在20歳)
過去の実績はなく、中高女子高でバスケ部で活動しており美大を目指している中で5期生オーディションに参加し加入することとなる。
アイドルとして活動し始めるには早いとは言えない年齢で、また、芸能界に身を置いたこともない。
周りの華々しいメンバー達と比べると輝いている部分は少ないかもしれない。
また、5期生の中でも3人だけ学業の都合によりお披露目が遅れたメンバーがいるが彼女もその一人。

初めてお披露目された姿は、個人PV

この時に感じたのは、ああ乃木坂らしい奇麗な子だな。
特に引っかかるものはなく、当時は一ノ瀬美空や小川彩に注目していたかと記憶している(今でも二人のことは好きだが)

その後、見かけた彼女の姿に全てを持っていかれてしまった。
5期生の番組として始まった新・乃木坂スター誕生
この番組は元々4期生がやっていた乃木坂スター誕生を5期生が引き継ぐ形で始まったのだが、
乃木坂のアイドル達が昭和・平成の人気楽曲をカバーして歌うことを目的とした番組である。

新・乃木坂スター誕生の第1回目の1曲目、池田瑛紗と奥田いろはが出てきた。
前述した通り、池田瑛紗はお披露目が遅れた結果、乃木坂工事中などの番組やお見立て会といったイベントにも出ていなかったため、動いている、歌っている、踊っている彼女を見るのが初めてだった。

JUDY AND MARYの『Over Drive』を二人で歌っていたのを見て、目を奪われた。
魅せられてしまった。
本当に申し訳ないことだが、奥田いろはが視界に入ることはなく、池田瑛紗の一挙手一投足に魅せられていたのだ。
けして上手いわけではないのかもしれない歌や拙い踊りだが、心を魂を揺さぶってくれた。
アイドルがそこにいたのだ。

デビューしてからずっと、番組内での少ない出番では全力でアピールし、異常とまで言える長文ブログを書き、ファンに向けての貪欲さは乃木坂でもトップクラスになっている。

5期生の中で最年長で、完成されたものとは程遠い池田瑛紗であるが、アイドルとして今後も完璧であり続けて欲しい。

跋文

池田瑛紗の好きなところは、癖のある声や喋り方、趣味についてなど語ればいくらでもある。
ただ、鰯の頭も信心からではないが、結局推しに対して全肯定的になってしまっていることは否めないためあくまでアイドル性について言及したかった。

アイドルに求めるものは人それぞれであるだろうし、結局正解なんてないとは思っている。
それでも、池田瑛紗というアイドルが生まれてしまい感情を書き綴ることで少し整理をつけたかったのかもしれない。

最後にはなるが、乃木坂5期生はかわいい子がいっぱいいるので今が推し時だと記したところで戸締り

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